あじさい
【初演】平成8年
■作詞:岩田道之輔 ■作曲:大和久満
(二上り)
障子あければ まだ燃え残る
競う七彩(なないろ) あじさいの花
過ぎて恋しき 思い出浮かべ
雨に濡れては しみじみ偲ぶ
燃ゆる思いの 色隠す
雨の降るほど 噂はあれど
主ある花なら 是非もない
花は七重に 彩り変えて
雨をふくんで 活き活き燃える
逢うた初手から 好きだと云われ
心一途に ただ主一人
恋のあじさい 雨に咲く
【解説】
「あじさい」は夏の季語でもあり、平安後期になると和歌にもしばし詠まれるようになった。雨と縁のある花でもあるが、一途な女心をあじさいの花に仮託した内容となっている。
間奏部の歌詞は、「都々逸」の旋律であるが、大和楽風に美しく作曲されている。
※都々逸・・・三味線と共に歌われる俗曲で、主として男女の恋愛を題材に扱ったため情歌とも呼ばれる。七七七五調の音数律を基本とする。