【初演】平成3年
■作詞:岩田道之輔   ■作曲:大和久満

(二上り)

〽連れ添う苔も 青々と くらしに慣れし 石垣に

 春を告げんと 萌え出ずる ああ名城の 天守閣

 幾百年の風雪に 揺らぎも見せず 聳(そび)え立つ

〽白雲(はくうん)流れ 時ゆきて 蔦の葉張りし 白壁の

 黒き傷さえ 哀れなり ああ名城の 大手門

 幾百年の 人の世の 栄華(えいが)の夢を 望みしか

 

【解説】

城というのは、天守閣や大手門など武将の移住地への防護として建てられたものですが、その建築美から武将が領土を支配した象徴としても讃えられておりました。

皆さまご存知の[荒城の月]という曲は、落城した城の過去の栄華を偲ぶ作品のですが、大和楽の城はそれとは違い、落城をして現存する城郭や大手門を眺めては、その当時の武将の栄華や凄ましい戦いを連想する内容となっています。

大和楽の中には、この城のように、一文字の題名の曲が沢山あり、どれも近年とても人気であります。