序の舞
【初演】昭和59年
■作詞:萩原雪夫 ■作曲:大和久満
(二上り)
春の風は 天にそよぎ 花の香は 地に満ちて
空七色に 明けそむる 人の世の運命(さだめ)は 扇の裏おもて
悲しみも喜び 恋も涙も 背中合わせの 舞扇
想いは遠き 過ぎし日の いとしき人を 慕いては
熱き情けの 小夜嵐(さよあらし) 燃えてわびしき 夢のあと
果てしなき 絵筆の道は厳しくも 心さやかに 歩むべし
いま妄執の 雲晴れて 光まばゆき 花のあけぼの
光まばゆき 花のあけぼの
【解説】
昭和五十九年二月、帝国劇場にて山本富士子特別公演「序の舞」の大詰で初演されました。
女流画家、上村松園の代表作「序の舞」を舞踊化にしたもので、絵師として筆をとるか女性として恋をとるかの激しい葛藤の表現が入り、「絵筆に生きた女性の生涯」を表現した作品です。