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武蔵野風月

【初演】昭和58年
■作詞:仁村美津夫   ■作曲:大和久満

(本調子)

七重八重 花は咲けども山吹の

狩りに出でたる 太田持資道灌(おおたもちすけどうかん)が

俄の雨に逢ひ いぶせき家の軒にたたずみ

蓑を借りんと 所望せしとき

山吹の実の一つだに なきぞ悲しの歌に添え

花一枝(はなひとえだ)を捧げたる 乙女の姿しほらしく

その風流の心を偲ぶ 古き武蔵野 あはれゆかしき

(二上り)

麗ら(うらら)なる野に連れ立ちて あの草この草

春の七草 摘み呆(ほう)けたる 幼き頃も思ひ出の

母の手作り よもぎ団子の 香(か)もなつかしや

川風に涼しく揺れる 

(三下り) 盆灯籠(ぼんどうろう)

粋な絵模様 江戸好み やぐら太鼓が 山にこだまし

歌ふ音頭が 瀬にひびく

砧打つ娘(こ)は 無口で堅い いくら口説けど 聞かぬふり

踊り上手は 愛嬌あれど 風に柳と 受け流す

白銀の富士の高嶺は 姿を隠し 雪に昏れゆく 多摩川の

水をかすめて 飛ぶ川千鳥

雪をかすめて 飛ぶ川千鳥

【解説】

昭和五十八年、「鶴見秀男追悼舞踊界」(池袋サンシャイン劇場)において、若柳吉光妙・花川蝶十郎ほかにより初演されました。

前半は、太田道灌の「山吹伝説」の世界に取材し、古き佳き武蔵野のゆかしさを賛美します。

後半は、幼き日の思い出を懐古しつつ、武蔵野の四季の移り変わりを美しく描いています。

春の七草、夏の盆踊り、秋の砧打つ娘、冬は富士山を望む多摩川の情景です。