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うたまろ

【初演】昭和20年
■作詞:邦枝完二   ■作曲:宮川寿朗

(本調子)

〽忍び寄る灯(ともしび)のもと 物思い

 影もくの字の 夢うつつ

 笹が招いた待ち人は

 そなさんならで 軒の雪

「うたまろの 女かなしや 袖屏風」

〽恋の黒塀 盲(めし)い鳥

 うつす鏡の紅皿に

 散って一と片(ひとひら) 梅の花

「淡路島 通う千鳥の 恋の辻占」

〽じれて沈んで 取り上げた

煙管(きせる)片手に 畳み算(たたみざん)

「うたまろの 女いじらし 月の眉」

〽外面(そとも)は雪の 深々と

匂う黒髪 夜の部屋

 

【解説】

作詞は邦枝完二、作曲は宮川寿朗によるもので、昭和20年12月の作品である。。

歌麿の描いた浮世絵をテーマに舞踊曲として作られたもので、「うたまろの 女かなしや 袖屏風」

「うたまろの 女いじらし 月の眉」と、辻占売りで有名な「淡路島 通う千鳥の 恋の辻占」をナレーター風に挿入したところが趣きのあるところであり、唄方の難しいところでもある。

三味線は本調子で作曲され低音三味線と音色の効果が相まって、上方情緒にあふれた曲である。