狐
【初演】昭和13年頃
■作詞:長田幹彦 ■作曲:岸上きみ
〽木幡小山の 三太郎狐
落ち葉小判で 帯買うた
帯は緋鹿の子 麻の葉くずし
小袖に振り袖 買うたぞや
〽おぼろ月夜に 庄屋殿方へ
島田に髪結うて 嫁が来た
馬につけたる 鈴の音おぼろ
花嫁あの山 越えて来た
〽ともす狐火 八丁縄手
嫁入り行列 通り雨
雨が晴れたら 木幡の土手で
櫻が散る散る 月の暈(かさ)
【解説】昭和十三年頃、花柳界のお座敷の為に作られた作品で、「木幡小山~買うたぞや」「おぼろ月~越えて来た」「ともす狐火~月の暈」の3コーラスから構成された、リズム感のある曲である。
曲の内容は木幡小山の三太郎という名前の狐が、落ち葉の小判で花嫁衣裳を買い、おぼろ月夜に嫁入り行列を洒落込む。といった何とも微笑ましい曲であります。