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砂引草の花(すなびきそうのはな)

【初演】平成10年
■作詞:飯塚幸恵   ■作曲:大和久満

(本調子)

〽白光に浮かぶ波路に走りゆく

 恋しき姿か 磯影か 鳴く声もあわれ 

 磯千鳥

〽波の調べに 踊って 踊って 踊ってほしい

 明日の光が見えるまで 見えるまで

〽果てしなく続く 浜辺の面(おも)

 静かによせくる 波あとに

 ついては消える 足跡が

 悲しみ流され また浮かぶ

 いつか胸に輝く 小石となるか

 そっと心寄せる 砂引草の花

〽夕映えに 並びし影よ

 ほのかに懐かし 磯の香りかな

 遠くに揺れる 小舟から

 波間に聞こえる 欸乃(あいだい)の声

〽うれし楽しと思った月波(つきなみ)も

 有りし日の夢のあと 夢のあと

 

【解説】

作詞:飯塚幸恵、大和久満による作品で、平成10年9月、「東京新聞名流会」にて藤間勘濤が舞踊にて初演。

砂引草(すなびきそう)は、別名「ハマムラサキ」とも言い、海辺の砂地に自生します。夏に紫のぼかしのある白色五弁の花を咲かせます。

この浜辺に咲く可憐な花に恋心と夢を乗せ、ほのかに懐かしい磯の香・・・その追憶の中の、女の優しさと激しく揺れる心を描いた作品です。

三拍子のワルツ調のリズムが、この作品の特徴の一つでもあります。