舞の道

【初演】平成6年
■作詞:石田 三紀子   ■作曲:大和久満   ■二代・米川敏子:筝手付

〽会者定離(えしゃじょうり) 諸行無常の 鐘の音(ね)に

 響く音色に 心も引かれ さす手 ひく手の 舞扇

 

〽時は移りて 平成の 舞は心の 火となりて 

 高らかに乱拍子 燃えろ 輝け

 

〽人の心の 道しるべ 舞の流れを 寿(ことほ)ぎて

 実(げ)に久しきは 千秋(せんしゅう)の

 栄える御代(みよ)こそ 目出度けれ

 栄える御代こそ 目出度けれ

 

【解説】

本作品は、作詞・石田三紀子、作曲・大和久満、筝手付・二代米川敏子により創作され、平成六年に初演された。

 冒頭に掲げられる「会者定離」「諸行無常」という仏教的な無常観を基調に、人の世の移ろいと、その中に生きる心のありようが描かれている。鐘の音に導かれるように始まる舞は、やがて人の心に灯る火となり、時代を越えて力強く躍動してゆく。

 舞は単なる所作にとどまらず、人の心を導く「道しるべ」として昇華され、流れゆく時の中でその意義を深めていく。本曲は、舞の持つ精神性と生命力を讃え、さらにその先にある平安と繁栄への願いをも内包している。

 終盤では、「栄える御代こそ目出度けれ」と繰り返し寿ぐことで、時代の安寧と未来への祝福を高らかに歌い上げ、格調高く結ばれる。